ささやかな胡桃パン-海外文学エッセイ

『海外文学』と『読み書き』にまつわるあれこれエッセイ

『オセロー』ウィリアム・シェイクスピア

イギリス文学
ウィリアム・シェイクスピア William Shakespeare
『オセロー』(1602?)

オセロー (白水Uブックス (27))

オセロー (白水Uブックス (27))

フォークナーの『響きと怒り』のタイトルはシェイクスピアの『マクベス』のあるセリフからの引用だが、今回読んだのは『オセロー』であって、まあつまりは勘違いして購入してしまったというだけの、まあひとつの悲劇である。マクベスもオセローも四大悲劇仲間ということでお許し願いたい(誰に)。

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さて、確かに『オセロー』はシェイクスピア四大悲劇のひとつであるが、なんとも喜劇的である。それはやはりオセローの騙されっぷりに起因するところで、まさかそんな簡単に、、ということであっさり妻より部下を信じてしまう。

誇り高き軍人もその誇りを汚された(と疑いだした)ら、ただの怒る人である。

起きろ、どす黒い復讐、うつろな洞窟から起き出してこい!
-中略-
ああ、血だ、血だ、血だ!

『オセロー』(白水uブックス)p135-136

やはり男とはなんとも醜い生き物なのだなと、思わずにはいられない。プライドはほどほどに、まあ歩いて跨げるくらいの高さにしておくべきである。

そういう場合男のかたは小さなものに八つ当たりする。ほんとうの相手はもっと大きなものなのに。そういうものだわ、ちょっと指先が痛むと、そのためにほかの健康なところまで痛みを感じるようになる。 『オセロー』(白水uブックス)p148

○○○

勿論イアーゴーのあくどさには閉口させられるが、オセローの自己中心的なエゴイズムに情けなさを感じると同時に、果たして自分はどうかと自問せずにはいられない。

ということで次こそは『マクベス』を。笑。