ささやかな胡桃パン-海外文学と遊ぶ

主に『海外文学』と『読むこと書くこと』あれこれエッセイ

『エレンディラ』ガブリエル・ガルシア=マルケス

ラテンアメリカ文学

ガブリエル・ガルシア=マルケス Gabriel Garcia Marquez
エレンディラ』(1972)

エレンディラ (ちくま文庫)

エレンディラ (ちくま文庫)

百年の孤独』と『族長の秋』の間に生まれたマルケスの中短編集(6短編+1中編)である。

なんかマルケスの短編って、読んでる時よりも読み終わった後に遅れて場面場面の強烈な印象が襲ってくるという感覚がある。勿論読んでいる時もなんだけれども、より後の方にグオーっとやってくる気がしている。

それにしてもこの摩訶不思議で美しい生と死の世界たるや。ラテンアメリカでは、当たり前のように生者も死者も一緒に暮らしているのかもしれない。そしてなんと言っても、文章から漂う強烈な土の臭いにジャスミンやバラの香りが混じり合った独特の空気感。カリブ海きらら中南米、旅したい。

どの作品も良いが、「失われた時の海」「この世でいちばん美しい水死人」、そしてやはり「エレンディラ」が好き。

また、「奇跡の行商人、善人のブラカマン」の話は、マイフェイバリット作家ポールオースターの『ミスターヴァーティゴ』のウォルトとイェフーディ師匠の関係を思い出し万歳。あれもファンタジックな暴力と奇跡の世界であった。

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ということで、ギラギラとキラキラが奇跡的に遭遇するラテンアメリカ文学代表ガルシア=マルケスの傑作短編集『エレンディラ』を是非。

新訳も出てるよ。

ガルシア=マルケスの他の小説

『予告された殺人の記録』(1981)