-ささやかな胡桃パン-

『海外文学』と日々のたわいもないノート

『予告された殺人の記録』ガブリエル・ガルシア=マルケス

ラテンアメリカ文学

ガブリエル・ガルシア=マルケス Gabriel Garcia Marquez
予告された殺人の記録』(1981)

予告された殺人の記録 (新潮文庫)

予告された殺人の記録 (新潮文庫)

予告された殺人が予告通り起こっちゃったんだけど、あなたたちは何をしてたわけ?ということを聞き集めて、その断片をうまい具合に組み立てた小説である。

ルポルタージュ的(そもそもルポとして書かれる予定だったらしい)ではあっても、これはまったくもって嘘のような嘘の話である。本当のような嘘の話がリアリズム文学だとすれば、これは何?そうマジックリアリズム文学である。

再読だったが、初めて読んだ時と同じく、思い出す場面がそこしかないっていうくらい最後の場面が脳裏にへばりつく。読んでいて、それがこれからやってくると分かっていても、半端ない衝撃である。グロテスクな美しさに思わず笑ってしまうような滑稽さを兼備している。

短いし、いつでもパッと手に取ってグワっと味わいたい小説である。